消防設備を点検をするには、資格が必要です。
資格は大きく分けて2つあり、「消防設備士」「消防設備点検資格者」になります。
今回は「消防設備点検資格者」について、私の体験談をもとに詳しく解説します。
初めて、申し込みをされる方の参考になれば幸いです。
消防設備点検資格者について
消防設備点検資格者は、消防設備の点検を行うための資格です。
つまり、「工事」「整備」を行うことは出来ません。そのため、工事・整備を行うには「消防設備士 甲種」の資格が必要ですし、整備のみを行う方は「消防設備士 乙種」の資格が必要です。
しかし、会社の業務が消防設備点検だけという方は、点検に特化した消防設備点検資格者があれば、用事が足りることと存じます。
また、消防設備点検資格者には、「特種」「1種」「2種」が存在します。
1種と2種があれば、ほとんどの消防設備の点検をすることが可能です。
申し込みの準備
まず私は、日本消防設備安全センターのホームページから「講習の手引き」「受講申請書」をダウンロードしました。
今回、私は「1種」「2種」の両講習を受講するので、各1枚ずつ申請書をダウンロードしました。
受講申請書に必要事項を記入しました。私は、受講資格の要件である第二種電気工事士を取得していたので、免状の欄にその旨を記入しました。資格の証明は免状のコピーによって行います。
免状写真票。整理表には、写真を貼付する欄があるので、縦4㎝×横3㎝の顔写真を貼付します。
※1種・2種の両方を受講される方は、両講習分の写真が必要になるので、合計4枚の顔写真が必要です。
記入し終えた「受講申請書」「免状のコピー」「返信用封筒」を1つのパッケージにし、新潟県消防設備協会に直接提出しに行きました。というのも、すぐに定員に達することもある講習なので、郵送だと少々遅れて届いてしまい、最悪受講できないということになるので、念のため直接提出しに行きました。
しっかりと受理されたので、まずは安心でした。
しばらく経ってから、「受講票」「案内用紙」「振替払込受付証明書」が送付されました。
振替払込受付証明書が両資格分の計2枚と受講料(34,384円×2=68,768円)を持って、郵便局の窓口で支払い手続きを行います。日附印が付いた証明書を、テキスト引換券に貼付します。
これで、準備は完了です。
受講日を迎えて
受講日を迎えました。講習は3日間にわたって開催されます。
受講に必要な持ち物は、「受講票・テキスト引換券」「筆記用具」「昼食」です。
9時10分に受付開始でしたが、9時前に到着しました。
早く行っても受付をしてくれると思っていましたが、その時間になるまで、受付は開始されませんでした。受講地によって違うのかもしれませんが、受付時間に間に合えば、そんなに早く行かなくても良いと思いました。
それから受付が開始され、「テキスト引換券」を持って受講日当日にテキストと交換されます。
講習最終日に修了考査があり、テキストから出題されます。またテキストは持ち込みが可能です。
本講習では、出題される箇所を講師の方が都度教えてくれるので、「蛍光ペン」「付箋」を用いてテキストに印をつけていきました。
そのため、出題される箇所を聞き逃さなければ、まず不合格になることはないでしょう。
例年の合格率で言えば95%以上合格しているので、特に難しい講習ではありませんが、稀に残りの5%の不合格になる方がいるらしいです。
担当の方からは『講習をよく聞いて、帰ってからも復習をするようにお願いします。』という旨のことを言われます。『そこまでしないと落ちるのか?』と不安に思いますが、余程のことがない限り、マジで!絶対に!落ちません!
講習の延長で試験があるようなものなので、講師の方も『ここがポイントです』などと出題箇所を強調して教えてくれます。運営側としても、不合格で再考査になると再度手続きなども必要になってきますから、1発で合格してほしいと思っているはずです(笑)。
ちなみに、私は、1日目に蛍光ペンと付箋を忘れました。色ペンは持っていたので、文章にマークすることは出来たのですが、付箋がなかったので、インデックスすることが出来ず、折り目を付けて出題箇所がわかるようにしました。後で折り目を付けた箇所に付箋を貼りましたが、2度手間になってしまいました。そのため、「蛍光ペン」「付箋」は必ず持っていくことをおすすめします。
それから、2日目、3日目と講習を受講し、付箋だらけのテキストを持って修了考査が行われました。
余談ですが、昼食は、近くのコンビニに行くという選択肢や会場によっては食券によって昼食が提供されることもあるようですが、私はお弁当を持参しました。意外とタイトな時間割で休憩時間は50分です。コンビニで昼食を購入しているとあっという間に時間がなくなってしまうので、注意が必要かもしれません。
修了考査について
修了考査は、試験時間が2時間の「消防法令関係」8問、「技術基準関係」12問、「点検要領関係」12問の計32問四肢択一方式です。各科目で50%以上の正答、かつ全体で70%以上の正答で合格となります。
試験には、「鉛筆またはシャーペン」「消しゴム」「テキスト」の持ち込みが可能です。
そのため、文房具は「シャーペン」「消しゴム」「蛍光ペン」「付箋」の4点を持っていたことになります。これらがあれば、用事は足りることと存じます。ご参考までに。
全ての問題で共通しているのですが、「誤っている選択肢を選びなさい」という問題となっています。
そのため、「テキストに書かれた文章」と「選択肢の文章」の間違いを探す試験となります。
私が解いていて感じたのは、数字が書かれた文章が答えになっている印象でした。
出題者的にも、数字を変更するだけなら、選択肢の文章を大幅に変更する手間がないですから、当然だと思います。
また、試験時間は十分に解答できるほど余裕があるように思いました。私の場合ですが、1時間ほど余りました。しかし、見直しなどを含めると1時間半ほどかかった印象です。
個人差があるかもしれませんが、最初に問題を解いた感じは、1問、1問に時間がかかる印象で、『時間が足りるのかな?』という焦りがありましたが、案外時間に余裕があることが分かりました。
私だけかもしれませんが、時々、『選択肢の文章が全て正しいし、答えなくね』と思うことがありますが、必ず誤った文章があるので、1文字1文字をよく読むことをおすすめします。
1つの選択肢に80文字前後の文章が書かれていて、わずか2文字を変えているだけのところがあったりするので、見つけたときは難しいことで有名な『サイゼリヤの間違い探しかよ』と思ってしまいました(笑)
数字は簡単に間違いを見つけられますが、性能試験配管の問題で「開く」が「閉じる」になっていて、「閉じる」が「開く」になっていて、探すのに時間がかかることもあるため、焦って文字を読み飛ばさないように注意しましょう。
科目免除はしないで…
資格の有無によって、科目免除をすることができますが、おすすめしません。
というのも、講習の1部科目の免除が可能にはなるのですが、修了考査は全て解答しなければならないからです。
先ほどお伝えした通り、修了考査の出題範囲は講習中に講師の方から教えていただけます。
法令・消防設備・点検要領などを一言一句違わず、正確に覚えている方でない限りは、講習を全て受講することをおすすめします。
結果発表!
試験の結果は、講習日から約1ヶ月後に「公式サイトで公表」「郵送による通知」がされます。
令和6年8月27日現在、講習日からまだ数日しか経過していないので、まだ分かりません。
しかし、考査時点で見直しを十分に行いましたが、マークシートの機械の故障でもない限り、おそらく満点だと踏んでいます。
首を長くして待ちたいと思います。
それから、公式サイトで合否が発表されました。
もちろん、合格でした。
その後、免状交付のための申請を行い、しばらくしてから免状が到着しました。
再講習は5年ごとに必須
本資格は、取ったら取りっぱなしというものではありません。
免状の交付を受けた日(交付年月日)から最初の4月1日から5年以内に再講習を受ける必要があります。
私の場合は、令和6年9月に資格を取得できるので、令和7年4月1日からカウントが開始され、令和12年の3月31日までに再講習を受講しなければなりません。(この期間中に全ての消防設備士の資格を取得できればいいのですが…)
この再講習を逃すと、資格は喪失し、本講習をフルの日程で新たに受講する必要があります。
再講習は1種・2種で各1日ずつあり、受講料は各10,520円かかります。
また、オンライン講習も年4回実施しているので、わざわざ会場に行かなくても受講できるようです。
免状を失効すると、お金も時間も取られるので、期限を確認しましょう。
皆様も消防設備点検資格者になりましょう!
今回は消防設備点検資格者について解説しました。
1種・2種の点検資格者を取得すれば、ほぼすべての消防設備の点検が可能となります。
1種・2種併せて講習期間は計6日間と長いですが、ここを乗り越えれば、ほぼ確実に資格は取得できるでしょう。
これから消防設備業に携わる方の参考になれば幸いです。